アイゼンと併用も可!雪山で大活躍するおすすめのワカン5選

アイキャッチ画像出典:PIXTA

ワカンとは?

アルミのわかんじき
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ワカンとは、「輪かんじき」の略で、雪輪などとも呼ばれています。降雪直後や予想以上に雪が深いときなど、思わぬラッセル(※雪をかき分けて歩くこと)を強いられるときに活躍する道具です。ワカンを装着することで足の接地面積が大きくなり、フカフカの雪でも沈み込まずに歩けるようになります。単輪式と双輪式があり、単輪式のものは「雪輪」、双輪式のものは「かんじき」と呼ばれることが多いようです。

※メーカーがワカンのことをスノーシューということもありますが、一般にワカンは小型で取り付け方法や爪の形状が違い、その用途は分かれます。浮力はやや下がるが、小回りが利くのがワカンの大きな特徴。スノーシューは「西洋かんじき」と言われます。

ワカンの特徴

わかんじきでラッセルする人
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■ワカンのメリット
・斜度があっても使用可能

・高度や天候によって雪の状況が変わる登山にも広く対応

・アイゼンと併用することも可能

・雪道をトラバース(※斜面を横断すること)しやすい

・軽量でコンパクト

・価格が手ごろ

■ワカンのデメリット
・スノーシューに比べて浮力が落ちるため、乾いた新雪だと埋まってしまう

・斜度のない雪原などはスノーシューのほうが快適

ワカンの種類

木製のわかん
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本来はタモ・クロモジなどの枝をUの時に曲げたものを二つ組み合わせて片足分とした木製のものでしたが、最近は軽金属製やプラスチック製のものもあり、いずれも堅雪用に大きな爪が両サイドについています。木製のものは縄で靴の上から縛り付けて使いますが、金属製やプラスチック製の製品はナイロンなどのテープと固定用の金具が使われています。

スノーシューやアイゼンとの使い分けは?

スノーシューでトレッキング
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ワカンのほかに、雪山ではスノーシューやアイゼンなどを足につけて登るシーンもあります。それぞれの装備が必要なシチュエーションを使い分けましょう。ワカン、アイゼン、スノーシューの特徴は次の通りです。
ワカン アイゼン スノーシュー
アイスバーン × ×
浮力 ×
狭い道 ×
急斜面 ×
コンパクトさ
装着のしやすさ
値段
大まかに説明すると、
・フカフカで道も緩やかならスノーシュー向き
・ガチガチに固くなっている道はアイゼン向き
・固すぎず、柔らかすぎない雪道は概ねワカンで対処可能
アイスバーンやフカフカの新雪など、極端なコンディションの時はアイゼンやスノーシューが快適ですが、踏み固められる程度の雪や、ある程度の急斜面などではワカンが幅広く活躍します。
雪質や道の状況を考えて適切な装備を選ぶ必要があり、「雪山はアイゼンがあれば安心!」などととらえるのは誤りです。

シチュエーション①新雪が降り積もったふかふかの雪原ハイク

スノーシュー
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ふかふかで腰まで埋もれてしまうような雪ではアイゼンは向きません。ワカンかスノーシューを使うようにしましょう。浮力はスノーシューの方があるので、より快適に感じることができるでしょう。
・シチュエーション:新雪が降り積もった雪原や谷筋の道などで、ラッセルをしなければならないような場所

シチュエーション②岩と雪がミックスした険しい雪山登山

アイゼンとピッケルで登山
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常に強風を受ける雪山の斜面は、平地や谷間と違い、雪質も固くなってくることが多いです。急な斜面にはアイゼンとワカンが向いていますが、どちらを使うかはさらに道のコンデションもみましょう。ごつごつした狭い道や凍り付いた岩場、アイスバーンであればアイゼン、雪が多く、踏み固めながら進まないといけない場合はワカンを使うのがおすすめです。

シチュエーション③雪深い急斜面

ワカンのシチュエーション
撮影:YAMA HACK編集部
浮力のあるスノーシューは急斜面の通行には向きません。アイゼンの場合は浮力がなく進行が難しくなります。こういった場合は、ワカンで道を踏み固めながら登るのが適しています。

注意すべきは、スタートからゴールまでの道のり

雪山登山する人
出典:PIXTA
雪の少ない樹林帯から広い雪原、山頂直下でのアイスバーンまで、一口に雪山といっても様々なコンディションの可能性があり、その中でもワカンは最も広いコンディションで役に立つ道具といえます。登るルートの状況や積雪状況、天気を総合的に判断して持っていく装備を決めるようにしましょう。

ワカンの装着の仕方

ワカン装着 靴のかかとをワカンのかかと部分に仮固定し、かかと部分にあるひもを前方左側のわっかに通し、さらに右側のわっかに通して、靴の上でクロスさせた形で後ろのわっかに通し、止め金具で固定します。装着の仕方を順に記すと下記の通り。写真を参考にトライしてみてください。また、より装着しやすく工夫されたラチェット式のものもあります。

①サイズはMサイズとLサイズ、右足用と左足用がある

③まず靴のかかと部分を仮固定する

④前方左上のわっかに外側からひもを通す

⑤前方右上のわっかに外側からひもを通す

⑥後方のわっかにひもをくぐらせる

⑦止め金具に通して固定する

⑧すこしずつ引っ張ってゆるみがなくなるように調整する

 
ラチェット式
出典:好日山荘 ラチェット式ならカチカチッと簡単に止めることができるのでおすすめ
 

アイゼンと合わせて装着する方法も!

アイゼンと併用
出典:Amazon

アイスバーンの上に新雪が降り積もった場合など、アイゼンとワカンが同時に必要になるコンディションに遭遇することも。また、吹雪いて、履き替えるのが大変な時や単純に履き替えるのが面倒だということもあるかもしれません。そういう場合に備えて、アイゼンとワカンを併用することができます。ワカンの爪がアイゼンより大きく、そのまま装着するとアイゼンの爪が有効にならないため、ワカンの爪が上を向くように裏返して使います。アイゼンとワカンを併用する場合は反り返りのないフラットタイプのワカンを選ぶようにしましょう。


おすすめのワカンは?

ワカンには大きく前が反りあがっているベントフレームとそうでないフラットフレームの2種類に分かれます。反りあがっているものは、急斜面での上り下りが楽だというメリットがあります。一方で、アイゼンと併用しようとする場合などには、フラットなものでなければ使えません。ご自身の目的に合ったものを選んでくださいね!

エキスパートオブジャパン・スノーシューズ

直径22mmの太いアルミパイプ、ステンレスの詰めも大きく、頑丈なワカンとして人気のあるモデルです。世界最軽量。前後に反りをつけ、上り下りの動作がしやすい形状に改良されています。雪山ラッセル時の必需品。

ITEM
エキスパートオブジャパン・スノーシューズ 
形状:ベントフレーム
重量:M:735g

ジュラルミン製との記載でしたが、アルミ製なのか???
まあ、軽量でザックに縛り付けても重量の問題もないので、軽登山でも常備していると安心です。皆さんの利用方法を参考にさせていただき、ホームセンターの電材売り場で購入したスパイラルチューブ(黒色)を巻いて使用しました。白色スパイラルチューブだと目立たないかと考えて黒色を選択しましたが、自分的には正解だったと感じています。
これ着用していると、腰まで埋まる積雪場所でも、膝上程度で済みます。効果は絶大。但し、ブレード交換が出来ないのが難点かな。


エキスパート オブ ジャパン スノーシューズ フラット型

上記のワカンのフラットタイプ。アイゼンと併用してワカンを使用するようなハードな状況下で、ワカンを裏返して爪を上方に向けて使う場合に、裏返しでも歩きやすいよう、フレームにカーブを付けず全体が平らな状態になっています。

ITEM
エキスパート オブ ジャパン スノーシューズ フラット型
形状:フラットフレーム
重量:735g

マジックマウンテン アルミわかん

サイドの爪はスクリュー&ナットでフレームに固定されており、爪の交換が可能。爪とスクリュー&ナットはステンレス製です。また、上り下りの動作がしやすいベント式でフレーム枠前方が上方へカーブしています。

ITEM
マジックマウンテン アルミわかん
形状:フラットフレーム
重量:M460g(片方)、L480g(片方)

この手のワカンは富山の芦くら式の伝統的なワカンを手本にして作ったものです。
 普段は爪を下にしてワカンだけで歩き、急峻で氷結した山を歩くときは鉄かんじきを嵌めてからこのワカンを逆向けに着けるという古来の方式を守ったもので、西洋のスノーシューに比べて抜群の応用力を持っているワカンです。
 最近、スノーシューの歩き易さを着目して前後を少し上にゆがめたワカンが主流になってきましたが、それは急峻な氷結雪稜での応用力を殺し、スノーシューのモノマネをしているとしか私には思えない。もし、スノーシューと同じ用途で使うだけなら、はっきり言うが、スノーシューを買うべきです。
 このワカンはスノーシューと比べて重さが半分以下です。だから、クランポンを着けてから履いても、スノーシューだけ履いた時の重さと変わらないのです。
 安いし、応用力もあるし、このワカンを買わない登山者は私から言わすと、まあスノーハイカーです。


オクトス アルミわかん ラチェット式

着脱の簡単なラチェット式。ワカン接合部(継ぎ目)に中芯(パイプ)を入れ、強度不足を解消しするなど、他社メーカーには無い、独自仕様になっています。ベントフレームなので、アイゼンとの併用(裏返し使用)はできない形状です。

ITEM
オクトス アルミわかん ラチェット式
形状:フラットフレーム
重量:1,066g

エアモンテ アルミ スノーシュー(アルミワカン)

  • 「アルミ スノーシュー (フリーサイズ)」は、日本の地形にマッチしたスノーシュー。アルミ合金製でダブルの爪により、縦横方向への滑りを防いでくれます。また、エアモンテのワカンはバンドを通すリングが大きく、厚手の手袋をしていても装着しやすいのが特徴です。
ITEM
エアモンテ アルミ スノーシュー(アルミワカン)
形状:フラットフレーム
重量:約 410g(片足)

買ってから未だ1度しか出動できていませんが、ワタシがよく登っている階段状のアプローチが多い典型的な日本の登山道にはワカンが最適です。洋風なスノーシュー(長いヤツね)は、長く続くなだらかな稜線歩きには最適なのでしょうが、ワタシが行くところにそんな場所は殆どありません。装着し易く、軽い作りで、お値段もお手頃、とても満足しています。


ワカンは雪山登山の強い味方

アルミ製のワカンと登山靴
出典:PIXTA
雪山の様々なコンディションで広く役に立ち、アイゼンと併用もできる軽量なワカンは、冬の山に登るときに持っていると心強い道具です。雪の降った翌日のふわふわの新雪の上で、冬山の美しさを満喫してみたいですね!

Let’s go to snowy mountains with Wakan(japanese snow shoe)!

ワカンを持って雪山に行こう!



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